論文番号 29

著者名 郷農一之・服部昌太郎・杉本直人

論文題目 斜面遡上波の運動機構に関する実験的研究

討論者 間瀬 肇 (京都大 防災研)

質疑

 周期が一定の波であっても,波高の不均一性があると遡上パターンは非常に異なる.本研究をそのような波パターンに対して適用することを考えていれば教えて欲しい.

回答

 間瀬さんが想定されている状況として,例えば,入射波群の砕波で発生する長周期波により,斜面上への遡上挙動が変わることが考えられ,長周期波の発生に関しては,長瀬・水口(1995)の研究がある.

 本研究の特徴は,遡上波の bore collapsing 条件に基づいて,遡上機構と打ち上げ高さを捉えていることである.したがって,長瀬・水口が指摘しているように,長周期波の存在による水位上昇が準定常的な取り扱いで算定できるならば,遡上波の bore collapsing 条件とを結びつけることができる.しかし,規則波の場合に対しても,bore collapsing 発生地点の算定などに関して,まだ検討すべき事が残されているが,出来れば不規則波にまで適用しうる様にしたいと考えている.

 

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