論文番号 259

著者名 柴山知也、柴山真琴、東江隆夫

論文題目 途上国の発展段階に位置づけた海岸問題発現の比較研究

討論者 小島治幸、九州共立大学工学部

質疑

 発展途上国においても総合的な沿岸域管理計画や制度はあるのか、あるいは考えられているのか。これらの国々が今後も発展する過程にあるとすると、日本の沿岸域で直面して来た問題と同様の問題が起こると思われる。日本の問題の多くが、総合的な管理計画なり制度がなかったことによると思われるので、発展途上国の国が早い段階で沿岸域管理制度を導入していくことが重要だと考えます。

回答

 例えばマレーシアにおけるEIA(Environmental Impact Assessment)制度など、ある程度制度が存在する国もあります。これからも制度を整備していくことが重要であるとおもいますが、多くの途上国では制度を運用していくために必要な技術力が不足しています。制度の整備と並行して、途上国人材の育成、日本の技術力の伝達を通して技術力を強化していくことが重要です。

 

討論者 田中茂信、建設省土木研究所

質疑

 途上国において日本と同じ問題が今後起こると予想される現状において、何をすれば良いか。また、何をなすべきか。

回答

 今まで我々が蓄積してきた海岸工学上の知見が、現実の途上国の建設事業の現場で活用されていくことが重要です。そのためには途上国の海岸工学者の育成、日本の海岸技術の伝達などが重要な課題だと思います。詳しくは以下の文献の第2編(建設社会学を応用した研究事例)を参照して下さい。

 柴山知也著、「建設社会学―土木技術者・国際開発技術者のための社会学入門」、山海堂刊、1996年。

 

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