論文番号 132

著者名 佐藤勝弘,妻夫木一秀,野口雄二,岩佐直人

論文題目 透水層埋設による地下水位低下に関する3次元予測計算

討論者 武若 聡(九州大学)

質疑

 透水層を設置した前面の砕波帯のwave-set-up がかなり小さくなるということであるがこれが海浜流に及ぼす影響についてお教下さい。

 wave-set-up が沿岸方向に変動すると,離岸流,向岸流が発生する要因となりますが,これが漂砂に予想していなかった影響(良or悪)を与えることはあり得るでしょうか?

回答

 指摘のように、wave-set-up の沿岸方向の分布の違いにより自然海浜から透水層を埋没した海浜に向かう流れが発生し、この流れに伴う漂砂(沿岸漂砂)からは透水層埋没海浜では堆積,隣接する自然海浜では侵食となる傾向が定性的に予想されます。このため、従来の海浜安定工法(離岸堤,潜堤,突堤等)と比較して小さいと想像していますが、透水層を埋没した海浜に隣接する自然海浜の漂砂(地形変化)への影響を予め推定しておく必要があります。隣接海浜への影響の定量的な推定については今後の課題です。

 

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